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プリズム◇黒子のバスケ夢小説

第6章 帰り道2


「──それより、一つ気になってたんだけど…」

火神君は話題を変えると改めて黒子君を見据えた。

「そもそもお前も、幻の6人目なんて言われるぐらいだろ。何で他の5人みてーに、名の知れた強豪校に行かねーんだ。お前がバスケやるのには…なんか理由があんじゃねーの?」

心理を見抜こうとしている瞳は、試合時と同じ色をしていた。

一瞬の間。

黒子君は無表情で火神君を見つめる。

「…僕がいた中学校はバスケ強かったんですけど、そこには唯一無二の基本理念がありました。」



それは──、

“勝つことが全て”



「その為に必要だったのはチームワークなどでは無く、ただ“キセキの世代”が圧倒的個人技を行使するだけのバスケット。…それが最強だった。」

黒子君は手にしていたシェイクを机に置く。
その際に伏せ目がちになった瞳は光が無く、遠い過去を見ているように思えた。



“そこに“チーム”はなかった”



「…5人は肯定してたけど、僕には…何か大切なものが欠落してる気がしたんです。」


黒子君を通して、“キセキ”と呼ばれる友人達を思い浮かべる。

何でも見ただけで、そつなくこなす“馬鹿”。

目的の為なら無駄な努力も惜しまない“変人”。

妄想癖で突進形の“世話焼き”。

苦労を知らず、人の心をへし折る“甘えん坊”。


バスケと繋がりの無かった私から見ても、あくが強く、プライドの塊のような人ばかり。

黒子君のスタイルは連携プレーだ。
試合中に個人プレイされて点数稼げるなら…最終的に必要とされなくなるだろう。 

それこそ、幻の6人目なんて…
名ばかりに。

記録に残らなかった彼は何を思い…
“彼ら”と共に居たのだろうか。
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