第5章 屋上
<リコ視点>
肩に手を置いて満開の笑顔を向けると、伊月君の思考が飛んだ。
顔には“…何で、バレたんだ?”と書いてある。
そりゃぁ、幼なじみだし?
ポーカーフェイス気取ってても、雰囲気とかで解るでしょ。
伊月君は真澄に特別優しいもの。
「なら、“アンタ達”からしたら真澄の罰則は、棚からぼた餅ね。やっぱり、このままでの採用は出来ないなー。」
「…じゃぁ、紺乃の罰則は無しで良いんじゃねーの?ιマネージャーなんだし、ソコまで俺達に合わす必要ないんじゃないか?な、伊月!!」
「あ、あぁ…。」
あら、私がそんな言葉に“うん”と言うとでも?
それじゃ、面白く無いじゃない!!
「よし!私が責任を取るわ!!」
胸をトンと叩けば、2人の顔は引きつった。
「私が責任を取って“アンタ達以外で”お婿さんを探す!…例えば、私達が負けたチームとか、日本一になったチームとか!」
「Σな!?」
「何、だと…!?ι」
日向君と伊月君は顔色を変えた。
それはもう、色んな感情が渦巻いた感じの。
ふふっ、良い顔するじゃない?
でも、これはあくまでも“例え”。
そう。例えばの話。
だって、
達成できなくて、
全裸で告白しなきゃいけなくて、
自分達が勝てなかった相手に、
好きな子を盗られるなんて…
最悪なシナリオじゃない。
「リ、リコ…お前は、可愛い妹分をそんな…簡単に…」
簡単に?
“くれてやるのか”って?
まっさかー☆
「だから“例えば”って言ったじゃない!そもそも“私が責任を取る”って言ったんだし、私がコレ!!って認めた男が見つかるまで真澄はずーっと私のモノよv」
ニパッと明るく答えれば、何処か安心した2人。
ありゃりゃ。
肩の力抜いちゃってー、そこで落ち着かれちゃ罰則にならないじゃない。
そりゃー、私が認めた男なんて簡単に現れやしないだろうけど…?
ん?
なら、
「一層、私が嫁に貰ちゃう?他国へ行けば女同士でも結婚できるし!」
私の言葉に2人の顔が青く染まる。
「「それも冗談にならない!!ι」」