• テキストサイズ

プリズム◇黒子のバスケ夢小説

第4章 幼なじみの苦悩


<高尾視点>

“カズ君”こと、俺、高尾和成は只今、全力で真澄から距離を取った。

と言うのも、朝、目が覚めたら隣に真澄の顔がすぐソコにあったからだ。

え?どれくらい近かったか?

そりゃ、間違えたら唇が当たっちゃうくらい近くに…って、言わせるなつーの!!///

はぁ…と、呼吸を整え辺りを見回す。

目の前には消し忘れたテレビが天気予報を中継していて…
俺の側には充電器を差したまま着きっぱなしに放置されているPSP。

仕舞い終えていない、季節はずれのコタツ布団に真澄と俺が入っていて…

(あー、昨日は新作のゲームを買ったから…調子に乗って夜更かししてたんだっけ?)

兎も角、気になった着けっぱになっているテレビやゲームの電源を落とす。

(多分、それに付き合って起きていた真澄も、そのまま此処で寝ちまった状況だな。)

幾らか落ち着いた頭をポリポリと掻き。

時計を見れば、起床時間で…
あと五分もすれば携帯の目覚ましアラームが鳴る。

俺は隣で猫みたく丸くなって寝ている真澄の肩を揺する。

「真澄ちゃーん、朝ですよー。」

『…ぅ、んん。』

「…真澄ちゃん?起きてー?」

『ん…やぁ、ッ。』

余りに甘すぎる声が出て、ピシッと手が固まる。

「ちょ、マジで起きろつーの!」

気合いを入れて、さっきより強く肩を揺する。

『ふぁ、…やらぁ…かずっ…も、っ…と…』

「…っ///」

起こしているだけなのに、何故か如何しい事をしているような錯覚に陥る。

多分本人は、『嫌だ。カズ君、もうちょっと寝かせて。』とか言ってる筈。

解ってる。

解ってはいる。

けど…

「真澄ちゃん、そーゆーの、マジ勘弁してくんない…?」

むにゃむにゃと、未だ夢の中をお散歩中なお姫様に言っても伝わる筈も無く…

俺は軽く溜め息を付くと自分の携帯を手に取り、5分後に鳴るだろうアラームの音を最大音にして、真澄の頭先に設置した。
/ 53ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp