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プリズム◇黒子のバスケ夢小説

第3章 帰り道1


黒子君の言う光が火神君なら、
私の光はリコ先輩だ。

例えるなら…

“太陽”の光。

皆の中心で強く輝き、差別せずに周囲を明るく照らす光は…
誰もが憧れ、惹かれてしまう存在。

自ら発光することが苦手な私には、太陽のように全てに等しく光を当てる事なんて出来ない。

だからと言って、迷い戸惑った時に導くような月の存在にも到底、役不足。

なら…せめて、脇役のさらに下でいい。

舞台の袖で見守る“端役”のように、空気(雰囲気)をより良く整える役でありたい。

皆が、翳りなく真っ直ぐ目標に向かって輝やけるように…



『──なんて、ね。ちょっとキザだったかな。』



空を見上げていた視線を下げると、ベッと舌を出した。

黒子君と火神君は、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていて…
やはり“らしくなかったか”と、居た堪れなくなって目を反らした。

すると、反らした先に見知った人影を見つけ“まさか”と目を凝らす。

『あー…2人共、ここまででいいや。迎えが来た。』

「迎え?」

何処に?と、辺りを見回す火神君。

『歩道橋を挟んだ向こう側の道路。さっき、車が通った時に照らされて見えたの。』

「電話の方ですか?」

『そ。一方的に切ったから…心配して来たのかも。男友達連れて歩いて行ったら、家に帰ってから煩く聞かれそうだし、向こうが気づく前に行くわね。』

肩に掛けた鞄を持ち直すと、足早に彼らの横を通り抜ける。

「「紺乃(さん)!」」

『?』

呼び止められ振り返る。

「「また明日(な)。」」

『…!、ぉう。…“また、明日”。』
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