第3章 帰り道1
「─…ホラよ。」
火神君は隣へ座るなり、山のように積まれた大量のバーガーから一個取ると、黒子君へと放り渡した。
「バスケ弱い奴に興味はねーが、お前の事それ一個分ぐらい認めてやる。」
素直じゃないなー、とか思いながらシェイク片手に二人の成り行きを見守っていると「お前にもヤル。」と言って、私までも一個渡される。
何事だ?と首を傾げて見返せば「朝の詫びだ。」と、言うなり“プイッ”とそっぽを向いてしまった。
その際、見えている真っ赤なお耳…
──ぶは!!
何だコイツ!!
メチャクチャ可愛い!!
俗に言う“ツンデレ”か!?
内なる自分が“しゃんなろー”なんて叫びながら悶えていると、黒子君が「良かったですね。」と、言ってくれた。
嬉しいのは確かだったので『うん!』と、だらしなく笑えば、黒子君は片手で顔を抑えて俯いた。
『ぇ?ιどーしたの!?ι』
「ぃぇ…///ちょっと、不意打ちだったので。」
(Σ何が!?)
不思議に思いつつも、答えてくれそうも無いので考える事を止める。
ふと、時計を見ると夕食が近い時間だった。
『ぁ、ヤバ!今日は、私が料理当番なんだった!ごめん。私、先に…』
火神君から貰ったハンバーガーをバックに放り込み、慌てて席を立ち上がった瞬間、
──ピリリリリリリッ…!!
携帯が鳴った。
(…何んでかな?携帯の音が“やけに”けたたましく感じてしまうのは…?ι)