第3章 帰り道1
突然ですが問題です。
今、私は何をしているでしょう?
答え
[マジバで黒子君と期間限定の桜シェイクを飲んでいます。…因みに彼の奢りです。美味しいです。]
では、何故そのような状況に陥ったのでしょう?
答え
[体育館から放り出された私が先輩達のカワユさに萌えている最中に黒子君が現れ………って、長いわ!!面倒だし、回想スタート!!]
『──ところで、黒子君は何してるの?忘れ物?』
先輩達の事がバレて焦っていた私は、その場を仕切り直そうと必死だった。
「ぃぇ、紺乃さんを待ってました。」
『私?』
「…実は今朝、登校中に紺乃さんと火神君が言い合っているところへ遭遇したんです。」
Σ…!?
「盗み聞きするつもりは無かったんですが、内容が内容だったので全部聞いてしまいました。」
『…なる程ι』
そりゃぁ、自分の事を話されてたら気になる。黒子君は悪く無い。
…ってなると、この展開は私が悪いのか?
ぇ、私?…ぶっちゃけ火神じゃね?
ぃゃ、でも此処は、
『余計なお世話しました。』
丁寧に頭を下げる。
「紺乃さん?」
頭を下げてるから表情は読み取れないが、黒子君の声は驚いているように感じた。
『男の友情?に水を差した。出しゃばった私が悪い。』
実際、試合が終わる頃には黒子君の能力を目にした火神君は吹っ切れた顔をしていた。
『ゴメン。』
「頭を上げて下さい。紺乃さんは誤解してます。謝る必要なんて無いですし、僕はお礼がしたいだけなんです。」
『…お礼?』
「はい。火神君に言われた事は、少なからずショックを受けました。けど、言われても仕方ないとも思っているんです。」
(…僕は誰かの影としてでしかバスケが出来ないから。)
「そこへ紺乃さんが、“自分の限界は自分で決めるもの”と、言い返しているのを聞いて、自分の可能性をもっと信じるべきだと気付かされた。…そして、貴女は僕の事を“仲間”だと、バスケは部員全員が揃って“チーム”なんだと言ってくれました。それが、嬉しかったんです。」
『…だから、お礼をさせて欲しいと?』
「はい。」
『あー…気持ちは嬉しいけど、私は…』
「先輩達の関係…」
Σ…ッ!?
「秘密なんですよね?」
『…ご、ご一緒させて頂きます。』
……回想終了。