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プリズム◇黒子のバスケ夢小説

第3章 帰り道1


雨上がりの土の匂いを感じ、やっと晴れたかと窓の外を見れば、雲の合間から赤い日差しが零れていた。

スコア表と部活日誌を纏め、リコ先輩に届けに行くと「残りの片付けはやっておくから先に帰るように」と、言われた。
『先輩が残るなら私も!』と、言ったが…
「日向君と今後の戦型について話を纏めておきたいから」と言われ、『なる程』と相槌を打つ。

先程まで行われていた1年対2年の試合。
火神君のバスケセンスは本物で、荒々しくダンクを決めている姿は“野獣”という表現がぴったりな迫力だった。
そして、その彼にミスディレクションと言う能力を使い特殊なサポートをする黒子君の動きは、実体が見えずに存在する“影”のよう。

そんな彼等を今後の戦力にどう生かすのか、という話を先輩達は考えておきたいわけだ。

けど、それだけでは…ありますまい?

『じゃぁ、お邪魔虫は退散しますね♪』

ウインクを飛ばして言うと、意図が読めたリコ先輩の頬は林檎みたいに真っ赤になった。

イヤんvマジ、マブイぜ☆

こりゃ、一言忠告しておかねば!

ストレッチをしながら床に座り込んでいた日向先輩に『可愛いからって学校で襲っちゃ駄目ですよ?』と伝えれば、これまた真っ赤になった先輩に「ダアホ」とチョップをお見舞いされた後、ポイッ!と、体育館から追い出されるのであった。


『あはは、も~、可愛いなぁ、先輩達~。』

にやける口元を手で押さえ、自分と一緒に放り出された鞄を拾いに立ちあがる。

『いいなぁ…(あの2人の関係って憧れちゃう。)』

「──何が“いいなぁ”なんですか?」

『そりゃー“恋してるって感じ”が………ん?』

「なる程“恋”ですか。」


…ポク、…ポク、…ポク、ちーん。


某アニメのような音が自分の頭を整理させ、行き着いた答えにガバッと勢いよく振り返る。

『ΣΣ黒子君!?」

「はい。」

平然と佇んでいるが…

『いつから…そこに?』

「紺乃さんがカントクと主将をおちょくってるとこからです。」

(ΣΣ始めっから!?)

「まさかあの2人が…」

『Σちょ!?詮索禁止!!(じゃないと私の楽しみが減っちゃう!!)ね!?』

黒子君に詰め寄れば、彼はコクンと頷いてくれた。
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