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プリズム◇黒子のバスケ夢小説

第2章 幻の6人目


帰り道、学校から一番近いコンビニへ寄ると「ほらよ。約束の品だぜ。」と、どっかのマフィアのような物言いで、火神君はアイスを買って来てくれた。

コンビニ限定のココアクッキーは文句無しの貢ぎ物だ。
単純かもしれないが、浮上する気分に乗せて『ありがとう』と、受け取ると早速あちらの質問に答えて上げる事にした。

『まず“帝光中”はバスケ部員数100を超えるマンモス校で、全中3連覇を誇る超強豪校なの。そして、その歴史の中でも特に「最強」と呼ばれて無敗を誇っていたのが。10年に1人の天才が5人も揃っていた時の事で…そのメンバーを“キセキの世代”と言ってる。』

予め纏めておいた内容をサラッと流すように話し終えると、手元にあるアイスの蓋を取り外す。

「ふーん。じゃぁ、試合に出てたって言ってた“薄い奴”は、その5人の内の1人ってことか。だったら“キセキ”つーのも大したことn…『戦っても無いのに見下げた物言いはご遠慮頂きたいですな。』」

息も付かずに“ビシッ”と彼の口元に向けたのは、まだ封の開けていない木のスプーン。

『勘違いは良くないね。確かに日本のバスケは、君の知っているモノに比べたら“色々”劣るかもしれない。けど、全中3連覇を成した“キセキ世代”は君が思うより伊達じゃないわよ。』

中学時代、平和に過ごしたい一心で関わろうとしなかった“キセキ世代”。
バスケの試合こそ見なかったが、クラスメートだったり、同じ役員だったりして、ひょんな切っ掛けから、それなりの関係を築いてしまった数少ない私の友人達だ。

彼等を知らないくせに彼等の努力を“大したこと無い”なんて言葉で片付けられたくは無い。

だって…

『“どこも一緒”だと思って諦めるには…まだ世界を知らなさすぎるでしょ。』
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