第9章 世界を知るために。
シュウは今、ぎょくえんの部屋に来ていた。凄く清潔で綺麗な部屋にもほどがあるくらいとりあえず、落ち着けなかった。
ぎょくえん『さぁ、どうぞ。』
そういってぎょくえんにっこり笑ってはお茶を出してきた。シュウは警戒しながらお茶を飲んだ。
するとぎょくえんがシュウに聞いてきた。
ぎょくえん『貴方は、シュウなの?・・・・アルマトランの、あの、いにしえの、』
いきなり話しかけられたことだけじゃない。口調までまるで別人のように変わっている。
そのしゃべり方にも覚えがある。その瞬間、ようやくシュウにも自覚ができた。
シュウ『やっぱり、生きていたんだね、アルバ!』
シュウは座っていた椅子を立ち上がりそう言った。ぎょくえんも気づいてくれた事を知り謎の笑みを浮かべた。
???『そう、やっぱりね。ウーゴによって聖宮で体を徐々に回復させていたものね。こんなに元気になるなんて、私は嬉しいわ。』
その声はもう、彼女の声じゃなかった。さっきまでのぎょくえんとは、全く違っていた。そう、彼女はぎょくえんではなくシュウと関わりがあるアルバという別の女性だったのだ。
シュウ『アルバ・・・その人の体から出ていってよ。』
そのシュウの目は、アルバの知っている、あの日と同じ目だった。