第8章 半年後
港に走り出すとギリギリ、シュウに間に合うことができた。
アラジン『シュウ君!!待っておくれ!』
黙って行くつもりだったため驚いて振り替えってしまった。
シュウ『ア、アラジン?何故?』
アラジン『ヤムさんの魔法で偶然シュウ君がいたのを見たのさ。それで・・・』
アラジンはちゃんとシュウの目を見て言った。
シュウ『そっか、ごめん。アラジン達に言ったら止められると思って、それに・・・僕の指名はアル・サーメンを倒す事だから。』
アラジン『それは、君がアルマトランで生きていたからなのかい?そうやって無茶をして自分の命を一番に考えないでアル・サーメンと戦って誰が手を伸ばしてくれるんだい?』
アラジンのまっすぐな瞳に引き付けられそうになり目を背けた。
シュウ『本当に、ソロモンにそっくりだな、君は。』
シュウの言葉に驚きと確信が出てきた。
アラジン『やっぱり、シュウ君はアルマトランで生きていたんだね。』
アラジンはうつむいた顔でシュウに言った。
アラジン『シュウ君、僕は君がアル・サーメンと一人で戦うのは絶対に、させたくないんだ、だって・・・シュウ君は僕達の仲間なんだからね!』
アラジンの言葉に一瞬反応して背を向けた。
シュウ『アラジン、僕は一人じゃないよ。でもねアル・サーメンを倒すのは早めじゃないといけないんだ。そのために僕はこの世界を知る。』
そういってシュウはアラジンに挨拶して船に乗りシンドリアをあとにした。
[シュウ君は僕達の仲間なんだからね!]
シュウ«なんで、ソロモンと同じ事を言うんだ!»
シュウはアルマトランの出来事を思い出した。あの日、ソロモンに助けられた日の事。
一人で岩影で泣いている時、ソロモンが夜まで探してくれた。
ソロモン『泣くな!!シュウ。お前は道具なんかじゃない!シュウは俺達の仲間なんだからな。』
そういって、ソロモンがシュウに手を差しのべていた日を覚えていた。
シュウ『ソロモンや皆のために僕はこの世界を守ってみせる!』
そう決意して向かったのは煌帝国だった。
ちなみにシュウは煌帝国がアル・サーメンと関わっているなど知らなかった。