第2章 出会いと別れは必然
「よかったら、二人で中庭に行ってきてはどうです」
「そ、それはダメですよ。わたしのために、たんじょうかいをひらいてくれたのですから」
「かまわん。いってくるがいい」
「おとうさままで…」
それだと、折角来てくれた人達に申し訳ないよ…。
結構な人数が来てくれたっていうのに……。
「叔父上や義叔母上もそう言ってくれてる。お主次第だ」
「……」
折角反論しようと思ったとのに、従兄殿のせいで言えなくなってしまったではないか。
………仕方ない、か。
折角従兄殿と会えたのだ。
行ってくるとしよう。
「ではおとうさま、あかあさま、いってまいりますね」
「お気をつけて」
「ヒルメス、ライナを頼んだぞ」
「お任せください」
その後、誕生会の会場を従兄殿と抜け、今は中庭に来ていた。
「いとこどの、かいじょうをぬけたはいいものの、なにをするのですか?」
「さぁな」
さぁなって;;
つまり、何も考えずに来たってことか;;
「それよりお主のこと、ライナと呼んでいいだろうか」
「えぇ、かまいませんよ」
折角だもの、名前で呼んで欲しいと思っていたからね。
「ではライナ、一つ、俺の願いを聞いてくれないか」
「?、なんでしょう」
従兄殿のお願い、気になるなぁ。
あ、でも、物凄いお願いとかは無理だからね。
私、見た目まだ子供。
「俺のこと、名で呼んで欲しい」
「おなまえで、ですか?」
「あぁ。駄目か?」
あっ………。
今従兄殿、首ちょっと傾げて聞いてきたぞ。
しかもまだ子供だから、破壊力抜群ときた。
………断れない。
てか、断る理由がない。
「………では、ヒルメスおにいさま……//」
「っ!」
…………反応なし、というわけでもないが、何か言ってくれ。
結構恥ずかしかったのだが……//
ガシッ
「!」
えっ、なに!?
従兄殿一体どうした!?
いきなり肩掴んで!!
「カ…イ」
「えっ、いまなんと……」
「可愛いぞ!ライナ!」
「!(ビクッ」
い、従兄殿は一体どうしたんだ……。
いきなり“可愛いぞ”とか言って……。
まぁ、前世に比べたら可愛いだろうけど、美人ではないぞ。