第2章 出会いと別れは必然
「そういえばおかあさま、おとうさま、いとこどのはいつおみえになられるのですか?」
「そろそろ来ると思いますよ」
「そうですか」
実を言うと、今日従兄殿に会えるのを楽しみにしていた。
だって、原作に関わっている人かもしれないし。
アルスラーンっていう可能性は、考えられなくもないけど、私の従兄っていうのは無いと思うんだよね~。
アルスラーンって、お父様とお母様の息子だし。
実子ではなく、養子っていうのなら話は別だけど。
コンコン
「叔父上、ヒルメスです」
ヒルメス……?
「ああ、入ってこい」
「失礼します」
ガチャ
あの人が、ヒルメス……。
……って、ちょっと待て。
“叔父上”って、もしかして……!
「ライナ、気付いたかもしれないが、こいつがお前の従兄だ」
「このかたが、わたしのいとこどの……」
優しそうな人。
これが、私にとって従兄殿の第一印象。
そう考えてるうちに、従兄殿は私のすぐ側まで来ていた
「お主がライナか?」
「は、はい……」
「フッ」
わ、笑われた……?
従兄殿から許すけど、初対面でいきなり笑うことはないでしょ。
「すまない。そう怒るな」
「お、おこってません」
「だったらそう頬を膨らませるな」
「あっ……//」
や、やってしまった~……//
精神年齢は彼よりかなり上なはずなのに、子供に戻ったからか、そういう子供じみた反応が増えてきて、それを見せてしまうなんて~……。
「フッ。お主が緊張してるようでな、すまない、笑ってしまった」
「フエッ!?」
わ、私、緊張してた!?
ま、まずい……。
身体年齢と一緒に、精神年齢も若返ってしまったのか!?
「フッ。俺の名はヒルメス。お主の従兄だ」
「あ、えっと、ライナです。よろしくおねがいします」
「小さいくせに、礼儀がなってるな」
「えっ!?そ、そんなことは……//」
う~……//
な、なんか、従兄殿のペースにはまってるような気が//
王族の子として、何より年上の大人として恥ずかしい……//