第2章 出会いと別れは必然
「きれい……」
私は今、王宮の中庭にいる。
そこで私は、花冠を持って“ある人”を待っていた。
「ライナ」
「お兄様!!」
来た。私が待っていた人物が。
「見てください!」
「上手にできたな」
「はい!」
そう言って“彼”は、私の頭を撫でてくれた。
「相変わらず器用だな、ライナは」
「そういうヒルメスお兄様だって」
「そうか?俺はライナの方が上手だと思うぞ」
「お兄様はお世辞がお上手ですね」
「そういうライナは難しい言葉を知っているな」
「フフ」
そう。彼の名は“ヒルメス”。
お父様の兄で、先王オスロエスの息子。
つまり、私の従兄にあたる人だ。
私と彼との出会いは、今からもう半年前、5歳の誕生日を迎えた日だ。
「お誕生日おめでとう、ライナ」
「ありがとうございます!おかあさま(ニコッ」
「フフ」
ナデナデ
今日で私はとうとう5歳。
つまり、この世界に来てからもう5年経ったということだ。
「ライナ、お前もそろそろ剣を学ぶ時期だ」
「え~……」
剣なんて持ちたくないな~……。
だって、怖いし……。
「陛下、ライナは女の子です。剣など持たせなくても良いのでは」
「………それもそうだな」
「!、ありがとうございます!おとうさま!!」
この世界に来た始めの頃は、望まれずに生まれてきたと思っていたけど、実際はそうでもなかった。
お父様は、生まれた子が女だと民衆に言い、“望まれぬ子”と言われ、意味嫌われるのを恐れていただけだった。
…………でも、王宮の一部の人にはそう思われるいるようだ……。
…………いや、それは自分自身で感じたことだ…。
「ライナ、どうしました?」
「あっ、いえ、なんでもありません(ニコッ」
危ない危ない。
どうやら、今考えてたことが顔に出ていたようだ。
「……無理はしないでくださいね」
「えっ………」
「貴女は妾と陛下の大切な子」
「そうだ。何かあれば、この俺に言え」
「!」
両親は、私のちょっとした変化に気づいたというのだろうか……。
………暖かいものだ。
前世の私ならば、一生味わえられなかっただろう。
「ありがとうございます」