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姫様は守護者の末裔なり

第1章 王女誕生


私の新しい人生が始まってから、もう一年の時が過ぎた。

私の視界も完全にclearとなり、少しずつだが、歩けるようになってきた。

………まぁ、良いこと尽くしではなかったけどね……。

例えば………。



「ライナ、ご飯の時間ですよ」

「あう」


………わかっただろうか?

今まで普通に話せたのが、これしか喋れないという屈辱的な感覚。

早いとこ成長して欲しい。


「相変わらず可愛いですね」

「姫様は、他の子より賢いですから」


それは当然だよ、侍女さん。

なんせ、中身は21の大人ですから。

あっ、今日で中身は22か。


それと話は変わるが、今の会話でわかった人もいるかと思うが、私は姫だ。

父はパルスの王で、母は王妃。

私が生まれてすぐ、父の兄、当時の王オスロエスが、弟アンドラゴラスに王位を譲ったのだ。

私はあまりアルスラーン戦記のことを知らないから、王族関係の話はよくわからない。

でも、私がいることで何らかの話が変わるかもしれない。

原作の内容が知りたいものだ。





「タハミーネ、ライナの様子はどうだ」

「元気に育っています」

「そうか……」


?何だろう、お父さんの様子がなんか変な気が……。


「また王位継承権の事を考えていたのですか?」

「………あぁ」


それって、次期王となる人の事だよね……?

確か、女性には王となる資格はないんだっけ?

これって、女性に対する差別だよね……。

あまり良い気はしないな~………。

それに、お父さんとしては、男が生まれて欲しかったんだろうね。

じゃなきゃ、こんな話、しないだろうし。


「タハミーネにはもう子は宿せん。どうしたものか……」

「………」


えっ……?

ってことは、私には弟や妹ができないと……?


…………どうにもおかしい。

アルスラーン戦記の話を詳しく知らないとはいえ、確か、“アルスラーン”という王太子がいるはず……。

私のせいで話が変わってしまったのか、はたまた、アルスラーンはお父さんとお母さんの実子ではないのか……。

……兎に角、今は考えても答えがでないのは明白。

もう少し時が経ってから考えるとしよう。










それから4年の時が過ぎ、私には、“兄”という人物ができた。
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