第1章 王女誕生
………まぁ、考えてもわからないものわらからないだろう。
ベッドで寝て気がつけば別世界というのも、あるのだろうな。
現に、私の身に起こっていることだ。
信じないわけにはいかない。
「ライナ、貴女には過酷な人生になるかもしれませんが、妾(ワタシ)が着いております」
………もう回りの流れに従おう。
こうなってしまったのもはどうしようもない。
むしろ、生まれ変わって良かったとも思える。
あの生活は、もううんざりだ。
この世界で、新しい人生を送ろう。
「そこの貴方、妾はもう寝ます」
「承知しました」
そう言うと、近くにいた人は外に出ていった。
「愛しいライナ、もう寝ましょう。お休み」
チュッ
お母さん……?
うん、もうお母さんでいいや。
お母さんがそう言うと、私の額に口付けをした。
「スー、スー………」
…………寝たな。
余程疲れたんだろうな、私の出産に。
………なんか私も眠くなってきた。
一先ず寝よう。
人間、睡眠欲には勝てないからな。
そう思うと、私の意識は段々暗闇に沈んでいった。