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姫様は守護者の末裔なり

第3章 新たな日々


グスッ

………いつまでも泣いていられない。

続きを、読まなきゃ。


『私の大事な後輩で相棒のライナは、今頃どうしているだろう。無事でいるだろうか?心配でたまらない』


…………相変わらず先輩は優しいな。

転生トリップしても、私の事を考えていてくれたなんて……。


『………これ以上考えるのは止めよう。ライナに会いたくなってしまう』


………私も会いたいですよ、先輩。


『続きはまた明日、書くとしよう』


…………いやぁ、驚いたな。まさか、アルヒ王女が先輩だったなんて。

……でも、ちょっと嬉しかったなぁ。

あの事件の後で一度死んだとは、転生して生きていてくれたなんて。

私はてっきり、死んでいたと思っていたから。……まぁ、一度死んでるんだけど;;私も先輩も;;



コンコン

と、感傷に浸っているとノック音がした。


「どうぞ」

「失礼します」


ガチャ

扉を開けて入ってきたのは、ナルサスだった。

一体どうしたのだろう?もしや、この日記の事だろうか?


「日記の解読はできましたか?ライナ姫」


………ここは嘘を言っとくべきだろう。

私や先輩……、じゃなくてアルヒ王女が転生トリップ者だと知られるのはマズイからね。


「いえ、それが全然;;」

「………そうですか」


………あれ?ナルサスの反応がいまいちだなぁ。

てっきり、「でしょうね」とか言うと思っていたのに。

…………もしや、嘘を付いていると気づいたか?私のポーカーフェイスは結構通じると思うのだが;;


「………そんな豆鉄砲を食らったような顔をするのはお止めください」

「なっ!」

「顔に表情が出ておりますよ。策士が表情を読まれてはいけませんよ」


そういう貴方も策士ではありませんか……;;

というか、私は策士になった覚えはありません;;


「それは失礼しました。ナルサスは、私が日記を解読するのを期待しているのですか?」


と、少々思うことを言ってみた。

じゃないと、ナルサスがわかりやすく残念がるとは思えない。


「…………えぇ、貴方の勉学の先生として恥ずかしい限りです」


と言ったナルサスは、本当に恥ずかしそうだった。顔が火照っている。

………これまた珍しい。ナルサスが恥ずかしがるとは……。
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