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姫様は守護者の末裔なり

第3章 新たな日々


━━これは、16歳の時のある日にナルサスから貰った本がきっかけになった出来事





「ライナ姫は、本がお好きでしたよね?」

「?、勿論ですけど、どうかしましたか?」

「少し奇妙な本を手に入れたので、見てもらおうかと」


奇妙な本?

どんな本なのだろう。気になるなぁ。


「今、その本はありますか?」

「勿論」

「ちょっと見せてくれませんか?」

「どうぞ」

「ありがとう」


そう言って、ナルサスは私に本を借してくれた。

本の表紙を見たとき、私は疑問を感じた。


「『アルヒの日記』……?」


アルヒって確か………、英雄王カイ・ホスローの娘じゃなかったっけ?

ナルサスに確認してみよう。


「ナルサス、アルヒとは確か……」

「英雄王カイ・ホスローのご令嬢でございます」

「やはり…。ということは、これを書いたのはアルヒ王女となりますね…」

「多分、そうでございましょう」


でも、何故これをナルサスが持っているのだろうか。

まず、アルヒ王女についてはあまり詳しくかかれた書物がない。急に行方不明とかになって、そう詳しい情報がないのだ。

あるとすれば、“アルヒ”という王女が英雄王カイ・ホスローの娘として命を授かったという程度。

だから、その存在を知らない人も多いのだ。

私は王立図書館の書物を読み漁ったから知っているのだ。


パラッ

私は本を、というより日記を捲ってみた。


「!?」

「私が奇妙と申したのがわかりましたね」

「はい……」


私は日記の文字を見て驚いた。

何故なら、日記に書かれてある文字が“読めない”のだ。


「………一体、これは……」

「私にもさっぱりわかりませぬ」


それと同時に、“疑問”を感じた。

何故この世界に、この文字を使える者がいたかということだ。

これは、“私”には読めるが他の人には絶対読めぬであろう文字、“日本語”。

久々に見た。


「……ナルサス、よろしければこの本、日記を借してもらえませんか?」

「?、えぇ、勿論構いませんが、読めぬ日記ですよ?」

「わかってます。ちょっとした好奇心ですよ」

「左様で(クスッ」


気になったものはとことん調べるのが私だ。まぁこれは、ナルサスの影響なのだろうけどね。


……あぁ、でも、早く、読んでみたいな……!
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