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姫様は守護者の末裔なり

第3章 新たな日々


「どうか、ヒルメス殿下の意思をお継ぎください」

「ヒルメスお兄様の、意思……?」


ヒルメスお兄様の意思……。それは、より良いパルスにすること。

私は女だから、王位継承権はない。でも、より良いパルスへと導く手助けはできるはず。

なら、今から私がすべきことは……!


「バフマン、貴方のその願いは、今や私の願いです。彼の手助けをするのが私の役目だと思っていました。その彼がいない今、私は彼が成したかったことを、成し遂げて見せます」

「!、ありがとうございます、ライナ王女」


王女、かぁ。

私、バフマンに認めてもらえたのかな……?だったら、嬉しいな。


「フフッ、貴方に王女と呼ばれるのは、恥ずかしいです」

「これからは、そう呼ばせてもらいます、ライナ王女殿下」

「……はい(ニコッ」

「では、失礼します」

ガチャ


「………ふぅ」


まさか、バフマンからこんな話を聞かされるなんて、思いもしなかったなぁ。

まあまず、ヒルメスお兄様は伯父様の子と思われてるっていうより、そう公表されてるしね。

バフマンのことを知らぬ者が聞いたら、絶対値信じないよなぁ。


……でも、何故バフマンが知っていたのだろうか。考えられるとしたら、伯父様が教えた……、とか?

嫌々、普通、そんなことを知っておきながら子育てなどできるか?私だったら無理だ。第一、母親の存在が気になる。

……後でお祖父様のこと調べてみよう。王立図書館には、何か資料あるよね?きっと。それか、ナルサスに聞くべし。


とにかく、このままでは駄目だ。行動しなければ、何も始まらない。


「……明日から頑張ろう。パルスのよりよき未来のために」


寝込んでなんかいられない。明日からでも少しずつ体を動かさなくては。

ヴァフリーズに頼めるかな?倒れない程度に、しごいてもらおう。




そんな決意を胸に、私は稽古に励んだ。日に日に剣の腕は上達し、並大抵の事には対処できるであろう実力にもなった。

知識も、ありとあらゆる物を学んだ。王宮で習うことだけではなく、王立図書館に通ったりして、自分で学んだ内容も多々ある。

時には、ナルサスから教えてもらったりもした。主に、軍の動かし方や心理学などだ。ダリューンからは、剣の稽古に付き合ってもらった事もある。

そんな日々を、少し紹介していこう。
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