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姫様は守護者の末裔なり

第2章 出会いと別れは必然


………暗い……。

ここは、何処………?

私は何故、眠っているの………?


ズキッ

ズキッ

………あぁ、そっか。

ヒルメスお兄様が、死んだんだ………。


『オスロエス様!!』

『しっかりしてください!!』


この声は………、バフマン………?

何かあったの?

ヒルメスお兄様だけではなく、伯父様までもが……。


『………アンドラゴラスよ……、国を、頼んだぞ……』

『!、オスロエス様!!!』


……………嘘……。伯父様………。

………でも、少し、安心した……。

これで、お兄様は、一人じゃない……。

伯父様、そしてヒルメスお兄様、後悔の残る人生だったかもしれませんが、お疲れさまでした……。

安らかに、お眠りください。









ピクッ

「おぉ、目が覚めましたか、姫殿下」

「……ヴァフリーズ…?」

「はい」


ここは……、私の部屋……?

そっか……、私、倒れたんだった……。


「ねぇ、ヴァフリーズ」

「何でございましょう」


……確かめなきゃ。

伯父様のこと……。


「伯父様は、ヒルメスお兄様の後を追ったのですね」

「……そうでございます」


じゃああれは、只の夢じゃなかったのね……。

ちょっと悲しいけど、お礼を言わなくては。


「……ありがとうございます」

「?」

「本当のことを話してくれて」

「!」


ヴァフリーズは、包み隠さず話してくれた。

嘘を言われるより、本当のことを話してくれた方が、ずっと良いから。


「嘘だとは、思われないのですか」

「………嘘だと思いませんよ、こんな話。それに、ヴァフリーズの目は、何かを隠して話しているとは思えません」

「……そうですか」


時には嘘も必要だろう。

でも、こんなことを隠されていたら、それを知った時、とても大きな喪失感を覚えてしまうだろう。


「………ヴァフリーズ」

「はい」

「しばらく、一人にしてくれる……?」

「………御意」

「誰も部屋に通さないでね」

バタン


「……はぁ」

バフ


ヒルメス、お兄様……。

何故、居なくなられたのです………。

いくら現実を受け止めても、心は空っぽ……。

これでは、半年前に逆戻りではないですか………。

本当の生きる意味を失った私は、これから、どうなるのだろう………。
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