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変えて。変えられて。

第6章 美しい友人


「だって仕方ないじゃん。日下だけじゃなくてお前まで予想通りなんだもん」

一頻り笑って満足し、あずさは笑い過ぎて目尻に溜まった涙を拭いながら口を開いた。

「入学初日からクラスの男子に声かけられるお前、それを見守る他の男子たち。しかも、超緊張してどもるとこまで予想通りだったからさー。おまけにお前の技に顔真っ赤にしちゃってるから面白くてさー」

思い出してしまい、またニヤニヤと笑って真依を見た。

技って何よー、と文句を言いながら靴を履き替える真依の姿があずさの目に映った。

スカートから伸びた細く長い足が眩しい。
身長は平均的ながらも、手足は長く顔も小さいため、スタイルがいい。

(まあ、絶世の美女って言ってもいい位の美人だもんなー)

さらさらと靡く、柔らかで真っ直ぐな、肩下まで伸ばされた艶やかな黒髪。
白く透き通るような肌に、ピンク色の頬。
ぱっちりとした二重瞼に、黒目がちの大きな瞳。
吸い込まれそうな瞳を縁取る長い睫毛。
すっきりと通った鼻筋に、ほんのりと赤い小さな唇。
すらりと伸びた細い手足に、細くしまったウエスト。

(胸がDってとこも、でかすぎなくてまたいいんだよなー)

セーラー服を押し上げる、程よく実った胸を見ながらそんなことを考えていると。

「・・・あずさ、バカなこと考えてないで早く靴履き替えて」

鞄で胸を隠した真依に軽く睨まれた。

(こういうのもまたグッとくるんだよなー)

「おじさんみたいなこと言ってると本当においてくわよ」

「・・・なんで考えてることわかるんだろうなー、怖い怖い」

10年目の付き合いになる美しい友人の鋭さに苦笑して、靴を履き替えた。
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