第11章 自由すぎる
「すみません、先生。後何点か確認させて下さい」
「なんだ?」
「いつまでに決めればいいですか?」
「明日の音楽の授業までだ。明日からみっちり練習するからな」
「・・・わかりました。次に、クラスの皆の分の楽譜は私たちでコピーをとるのでしょうか?とるのであれば、クラスとして使用可能なコピー機の場所を教えて下さい」
「そこのコピー機使ってコピーしてくれ。はい、これカード」
律子が差し出したカードを万里が受け取った。
「もー先生。コピーくらいとっといてよー」
ぶつぶつと文句を言う万里に、律子は笑顔で言った。
「なんだ?日下。昨日忙しい中わざわざ買ってきてやった先生に向かって。そんなに先生の手伝いをしたいのか?」
「いやだな〜先生。冗談ですよ、じょ・う・だ・ん」
ヘラヘラと笑顔でかわす万里を無視して、真依は質問を続けた。
「明日までということなので、今日の6時間目のHRに決めたいのですが、いいですか?」
「おーいいぞ。第二音楽室使え。あそこは今授業では使ってないから」
「ありがとうございます。最後ですが、伴奏者用の楽譜もお借りしたいのですが」
真依の言葉に、律子は驚いたような顔を見せた。
「え、渡した楽譜にかいてあるだろ?」
「いえ、伴奏はのってないです」
「・・・・」
真依の言葉に、律子は固まった。
「先生?」
万里が声をかけると、先生は我に返って笑った。
「えーと、まあ、あれだ。本番までには用意しとくよ!」
「「・・・・・」」
(・・・頭痛くなってきた・・・)