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変えて。変えられて。

第9章 絶対負けない自信


高校生活二日目。

朝から実力テストが行われ、現在はお昼休み。
最後の英語を残すのみとなった。

「真依ー、最後の問題なに・・・最後までいきつかなかった・・・」

机に突っ伏していたあずさの声に、周りからも声があがった。

「あ、私も全然わかんなかった!真依ちゃんわかった?」

「俺、問題の意味すらわかんなかった!」

周囲の声に、真依は苦笑した。

「あれ、積分つかわないと最後まで解けないよ」

真依の声に、周りに集まったいた面々はギョッとした顔をした。

「なんだよそれー!!」

「そんなのフツー出す?!」

皆が騒ぎ出す中、あずさがギロリと睨んだ。

「・・・てことはお前解けた?」

「途中で計算ミスしてなきゃね」

真依の言葉にあずさは頭を抱えた。

「お前が計算ミスなんかするわけないじゃん!くそーまた負けたー!!」

「数学は絶対負けない自信あるわよ」

悔しがるあずさに、真依はにっこり笑って答えた。

「くっそー誰かこいつ倒して。日下!こいつ倒せ!」

「へ?」

突然呼ばれた万里は、あずさを見た。

「日下も主席入学じゃん、真依のこと倒して」

「いや〜押し倒すのは確かに得意だけど〜」

「ちげーよ!真依を主席から引きずり下ろせ、てゆってんの!てかそんなことさせるか!」

「引きずり下ろすと何かいいことある?」

「あずさ、そんなことより早くお弁当食べようよぉ」

少し頬を膨らませて言う真依に、様子を見守っていたクラスメイトたちは鼓動を高鳴らせた。

(・・・美人ってどんな表情でも絵になるんだなぁ)

なかなか終わらない二人のやりとりに、真依は諦めて一人で弁当を食べようとしたとき、校内放送がかかった。


「1年A組、日下万里、荻野真依。至急職員室まで来るように」


律子の声だった。

(・・・お弁当・・・・・)
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