第3章 「幸せ」な日常
エースに続き、サボとルフィも加勢する。
「フィン!!待ってろ、今助けるからな!!」
サボが男たちに反撃しながら叫ぶ。
しかし、男たちは強く、なかなかフィンの元へたどり着けない。
自分が化け物であることを隠していたにも関わらず、自分のために戦ってくれる3人を見て、いても立ってもいられず、フィオナは縄を解こうともがき出した。
しかしその時、ルフィが一人の男に捕らえられ、首元に鋭いを刃物を突きつけられた。
「おい、やめろ。これ以上歯向かうと、こいつの命はない。」
みんなの動きが止まる。
「はなせぇぇぇえ!!!」
ルフィがもがいて抵抗するが、敵わない。
エースとサボは男たちを睨みつけ、攻撃のタイミングを見計らう。
『大好きなみんなに迷惑かけたくない。これ以上、私のせいで傷ついて欲しくない…!!』
フィオナは縄を解くのをやめて、覚悟を決めた。
すぅっと息を吸い込んで、男たちを真っ直ぐ見据えて叫ぶ。
「やめて!私なら抵抗はしない。あなた達に着いていく。だから、その子…ルフィを離して。お願い。」
「いいだろう。」
そう言うと、男はルフィを開放し放り投げた。
エースとサボが驚いてフィオナを見る。
「フィン、お前何言ってるんだよ!!こんな奴らに従う理由なんてねぇ!!」
エースが説得を試みる。
「お前は俺達の仲間だ!フィンは黙って助けられるのを待ってろよ!!」
サボが鉄パイプを握り直して体制を整えた。
すると、男達は素早くフィオナを担いで背を向ける。
「お遊びはここまでだ。お前らとじゃれ合う暇は持ちあわせていないんでね。こいつは俺達が責任持って大金にしてやるよ。」
そう言うと、ものすごい速さで森を駆け抜けて行った。
エースとサボ、ルフィも後を全力で追いかけるが、姿を見失い、呆然と立ち尽くす。
「うぁぁぁぁああ!!!!!フィオナァァ!!!!」
3人の無念の叫び声と泣き声が森に響いた。