第3章 「幸せ」な日常
「ごちそうさま。とっても美味しかった。ありがとう、マキノ。」
そう言うとすぐに席を立ち、食べ終わったお皿を流し台に持っていく。
わざと手をつけなかったパンを懐に忍ばせ、
「サボ、待たせちゃってごめんね。行こっか。」
とサボの手を引き、ドアを開けて外へ出て歩き出す。
「行ってらっしゃい!暗くなる前には帰ってくるのよ!」
マキノの声が遠ざかりながら聞こえる。
突然手を引かれたサボは、少し顔を赤らめつつも、
「普通は逆だろ…っ!」
そう言ってグイッとフィオナの前に出ると、今度はサボがフィオナの手を引いて歩き出す。
「ふふっ。じゃぁ、川まで競争しようよ。」
フィオナはサボに笑いかけると、そのまま手を離して走り出す。
「え、お、おい!待てよ!!」
突然離された手を惜しみながら、目の前で白銀の美しい髪を揺らして軽快に走るフィオナに見惚れつつ、走ってエースとルフィが待つ場所へと向かった。