第3章 「幸せ」な日常
台所に着くと、足音に気づいたマキノが手を止めて振り向き、「おはよう!」と笑顔で言った。
フィオナもとびきりの笑顔でおはようを返し、テーブルにお皿を並べ始める。
いつもの幸せな朝の日常。
【ドン!!!】
突然玄関のドアが勢いおく開く。
そこには、顔馴染みの3人の少年が立っていた。
「「フィン!おはよう!!」」
眩しい笑顔と元気な挨拶がフィオナに向けられる。
「おはよう!エース、サボ、ルフィ!」
フィオナも精一杯の笑顔で挨拶を返す。
「今日は川で魚釣りをすることになったんだが、フィンも来るか?」
釣竿を肩に掛けながら、エースが言う。
「今からマキノと朝ごはんなの。食べ終えたら行ってみようかな。」
フィオナがいそいそと朝食の準備を整えながら言うと、サボが少し前に出てきて、
「フィンが1人で行くのは危ないから、俺も後から行くよ。お前ら2人、先に良さそうな釣り場探してきてくれよ。」
そう言って持っていた釣竿を壁に立てかけ、朝食の準備に加勢した。
「ああ!サボ!ずるいぞ!フィンたちに朝食を分けてもらうつもりだな!それならオレも残る!!」
ルフィも釣竿を放り出し、テーブルに向かう。
しかし、すぐにエースに襟を掴まれ、再び引き戻される。
「ダメだ!!お前は俺と来るんだ。二人の飯が無くなっちまうだろ。じゃぁサボ、頼んだぞ!フィンも早く食べろよ!待ってるからな!」
放り出された釣竿をエースがひょいと拾って、ルフィを引き連れ軽快にドアの向こうへ走り去って行く。
「さぁ、とっとと食べて行かなくちゃね!」
朝食の準備を一通り終えて席に着き、マキノはフィンを急かす。
「いただきまーす!」
待たせてしまっているサボに申し訳なさを感じつつ、急いで食事を口に運ぶ。