第3章 「幸せ」な日常
【フィオナ9才の頃の出来事】
トントントントン…。
軽快に野菜を刻むリズムが聞こえてくるので、フィオナは気持ちよく目を覚ました。
「ふぁ〜〜ぁ。いい目覚め!今日も素敵な朝。素敵な1日になりそう。」
ベットの上で軽く伸びをしながら、小さく呟く。
カーテンを開けると、キラキラと朝日が部屋を飾り、フィオナはとても幸せな気持ちに包まれた。白銀の髪がとても美しく光り輝く。
「今日は何をして過ごそう…。」
とりあえず着替えなくちゃ、とクローゼットからワンピースを取り出してふと手を止める。
そのワンピースはマキノが作ってくれたお気に入りの一枚。プレゼントしてくれた時の嬉しさを思い出し、顔がほころぶ。
「早く朝ごはんの準備のお手伝いに行かなくちゃ。」
いそいそと着替えて洗面所に行き、顔をさっと洗うと駆け足で台所へ直行した。