第4章 エースとの再開
【フィオナside】
とある島のとある村のカフェで、フィオナはぼーっと窓の景色を見ながらコーヒーを飲んでいた。
その美貌にはますますの磨きがかかっていたが、また目を付けられては厄介なので、目立たないようにつばの広い帽子に髪の毛を隠して深くかぶり、サングラスをして窓際の端に座っている。
『あれから10年かぁ。会いたいなぁ。エースは新聞で何度か見かけて、順調に夢を追いかけてるみたいだけど、サボはどうしているのだろう…?ルフィは船出した頃かなぁ。はぁ…。みんなに会いたい。』
10年前、エースやサボ、ルフィは海に向かってそれぞれの夢を語っていた。フィオナは、それを聞いているだけだったが、3人の未来をとても楽しみにおもっていた。
そろそろ会っても大丈夫な頃かなぁなどとモヤモヤ考えていると、カウンター席に座っている三人組の村人たちの会話が聞こえてきた。
「そう言えば、火拳のエースがこの付近にいるらしいぞ。」
「それは本当か?!」
「何の被害もでなければいいのだが…。」
「どうだろうな、やけに血の気の多いやつだと聞くし、下手に関わりたくないものだね。」
フィオナはその村人たちに近づいた。
「その噂は本当なの?」
突然話しかけられて村人が少し驚いたあと、
「本当さ。海岸付近で見かけたやつが何人もいるんだ。」
と答えた。
「突然話しかけてごめんなさい。教えてくれてありがとう。」
礼を言うと、フィオナはコーヒー代を机に置いてカフェを出た。
『エースに会えるかもしれない…!私のことを、覚えていてくれているのかな…。』
期待と不安を抱えながら、海岸付近へ向かって早足で歩き出した。