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金色の標

第2章 始まりの標




Side minato



雨の日だった。
死んだ両親の代わりに育ててくれていた叔父さん夫婦が亡くなった日は

どちらとも戦忍だったから仕方ないと言えば仕方ないけど、それでは従姉妹のアラシちゃんはまだ小さすぎるだろう。
慰霊碑の前で合掌し終えた俺の目に入ったのは自分に似た金色の髪をした少女の背中だった。


「…可哀想に、来週誕生日だったのよね?」
「お父さんもお母さんも亡くなったんじゃアラシちゃんは、」
「ウシヲさんもコヨミさんもご兄弟はもういないんでしょう?」
「ならアラシちゃんは、」
「従兄弟にミナト君もいるけど、まだ年がねぇ」
「ミナトも中忍でしょ?年はまだ18だし」
「アラシちゃんもまだ五歳でしょ?無理よねぇ」
「なら遠縁の親戚を辿って、」
「うちはもう子供が二人も」
「うちはそんな余裕」


周りの大人の言葉に耳もくれずに慰霊碑の前に立つあの子は傘も持たずに雨に打たれている。
あの子はこれからどうするんだろう

ウシヲさんは亡くなった俺の父のお兄さんで、ウシヲさんにはよくしてもらったのをよく覚えている。家族がいなくなって穴の空いたような俺に家族のようになってくれたのもウシヲさんとコヨミさんだ
俺を、救ってくれた恩人だ。
そしてアラシちゃんも小さいながらに俺に懐いてくれて、兄のように慕ってくれているのも分かっている。恩人2人の大事な忘れ形見

でも、俺は忍びだ。年もまだ若い
5歳の女の子を育てるには色々と無理があるだろう。1人で育てられるわけも無いしクシナにだって迷惑をかける。それも考えれば遠縁の親戚の家に行った方があの子にとって幸せなんじゃないか?


それでも、俺は、引き取りたいなんて言えるのか?




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