第2章 始まりの標
「…おにーちゃん。」
ハッと、した。
慰霊碑に向いたままあの子は俺に声をかけてきたその声は少し、震えている
「あたし、とおいおうちにいくことになるんだって」
「…。」
俺は声を出せなかった。なんて言えばいいのか分からなくて、多分顔なんて見えなかったろうけどあの子には俺の少しの動揺はつたわってしまってないだろうか
「あ、
「おにーちゃん。
…ごめんね、あたしおにーちゃんのいもーとに、なれなかった」
頭を殴られたようなそんな気分だった。
そうだ、そうだった
「でもあたしいいコにするからたまにはきてね」
あのときあの子と俺は、
「とおくにいってもあたしは、おにーちゃん
「アラシ!!」
1人になった僕に手を差し伸べてくれたこの子が、1人になった時。
俺が、手を差し出さないわけにはいけないだろう
周りのざわめきが一度で波を打ったかのように静まった
人の視線が、痛い。
ようやくこちらを向いたあの子の顔は驚いているようだった。雨なのか涙なのかぐちゃぐちゃな顔をしていて少し顔が綻ぶ。
大丈夫、俺は決まったよ
今度は君が決める番だ
「おいで」
飛び込んできたその子は酷く冷たかったが、俺はそれよりも暖かかった。
(ミナトくん、さびしーの?)
(…1人になっちゃったから。少しはね)
(なら、あたしがミナトくんのおねーちゃんになってあげる!)
(アラシちゃん僕より結構年下だよ)
(ならいもーと)(なら…?)
(かぞくになって、ミナトくんまもってあげるから、
なかないでおにーちゃん)
(…うん。ありがとう)