第3章 新しい家
タオルを被って扉に隠れるアラシの目線に立つと、その顔には薄っすら涙が溜まっていた。
目尻の次に髪をタオルで拭こうとするが、その俺の手をアラシの小さい冷たい手が拒む
「泣いたね、アラシ。それにまだ身体が冷たいよ」
「おに、ちゃ、あのね
ほんとうに、いっしょにいていいの?じゃま、じゃない?」
「…どうして?来てっていったのは俺だよ」
「おばさんたちが、あたしといっしょじゃ、おにーちゃんのじゃまになるって」
前言撤回。謝りに行くのはやめよう。
子どもの前でよくもそんなことが言えるもんだ。
「…それは、あの人達が言ったことだ。俺の言葉じゃない」
「…うん」
「それに、可愛い妹のことを邪魔だなんて俺が言うと思う?」
「ううん」
「だろう?」
「…ごめんね」
「んーー。まずアラシにはそこから教えないと」
「う?」
「こういう時は、」
ありがとうって、言うんだアラシ
「…おとーさん」
雨はまだ止まない
(ありがとう?)
(そうだぞアラシ。なんで嬉しいのにごめんねなんだ。おとーさん悲しい)
(だって、おとーさんイタイイタイしてる)
(…そっかぁ)
(そうだぁ)