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初恋〜朽木白哉夢〜

第3章 友の死



 そんな下らない会話を交わしたのはつい60年前の話。死神である俺達にとっては一つの季節が過ぎるくらいの些細な年月だ。
 でも奴にとっては最後の……。





 個々の戦闘能力に長けた十一番隊長の死は瞬く間に瀞霊廷のみならずソウル・ソサエティ全土に拡がり、死した場所が流魂街だったとあってか流魂街の警備の為に忙しい日々が続いた。

 けれど樹を殺した犯人は見つからない。流魂街に虚が現れた事自体問題なのに姿形もない。

 俺は、焦っていた━━。


「だから何度も言ってんだろうが!  相手は隊長を殺した相手だぞ。平隊員如きに何が出来る? 少なくともどこか一隊は隊長副隊長を出すべきだ!!」

「機を待てと言うとるんじゃ。相手の正体をわからずに下手に動くわけにはいかぬ」

「だからって何故平隊員だけを動かすんだ。昨日は三番隊の第四班20名、一昨日は八番隊の席官を含む15名。これだけ被害が出てんのにまだ情報収集だの言ってんのか!?」


 十一番以外の隊長・副隊長が揃った総隊の隊主室で響く俺の怒鳴り声。それを向けられた相手は冷静に答えを返してくる。
 それが頭に来て更に言葉尻が荒くなる。


「隊員は鉄砲玉じゃねんだぞ!? 撃って当たったって帰ってこなきゃ意味がない。もうろくしてんじゃねぇぞクソジジイ!」

「総隊長に向かってっ……口をお慎み下さい山本四席!」


 今は六番隊四席だけれど一番隊として出席した俺。勿論言うことはハッキリ言わせてもらうが身上の俺はいつものようにじっちゃんと口論を開始。烈ちゃんは呆れ顔、京楽隊長は苦笑い。朽木と仁之心は我関せずの無表情。他は皆豆鉄砲を食らった鳩の様に怒鳴り散らす俺を見ていた。

 流石にクソジジイってのは聞き捨てならないと五番隊の副官が制止の言葉を入れてくれば、それを睨みつけて黙らせた。

 
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