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初恋〜朽木白哉夢〜

第3章 友の死



『まぁその後しっかり卯ノ花隊長に御灸を据えられてたからちょっとは反省してるだろうが』

『~~っうるっさいな! 何だよ樹も修兵も人をいぢりやがってさ。どうせ俺は口より先に手が出る男女ですよーっだ』


 うちの家族はじっちゃんと兄貴だけの男系家族。友人も女より男が多かったからか、女らしさとはほど遠い俺は昔っから口より先に手が出る奴だった。じっちゃんと喧嘩になった時も他と同じですぐ手が出てたんだよなぁ。


『俺、やっぱ死神に向いてないのかなぁ……』


 短気だし注意力散漫だし鬼道の才能皆無だし。挙げてったらキリがない。


『山本家の異端児だもん俺』


 ズズン……と沈み始めた俺に、流石にヤバイと思ったのか修兵が『大丈夫だって』と肩を叩く。

『意気だけは死神向きだからさお前。あとはその短気をどうにかすりゃ卒院なんてすぐだって。だろ?』 

『さぁなぁ。オレは無理だと思うんだけどなぁ』

『おいおいあんまやり過ぎんなって』

『ま、あれだ。最終死神になれなかったとしてもオレん所に嫁に来ちまえばいいんだって。どうせお前みたいなじゃじゃ馬なんぞどこの家ももらってくれないだろうし』

『バッ……俺にだって見合い話の一つや二つありますー!』

『どぉだか?』


 ぬぁんだとー!? これでも山本家は貴族の位なんだぞ! そこの一人娘である俺だって見合い話の一つや二つ……いや、今のとこ一つもないけど。どこからもお呼びもかかってませんけどだからって何でお前の嫁!?


『つか何でお前なんだよ、ぜってーお断りだね!』

『じゃあ修兵がいいのか?』

『いや、断る』


 やっぱそこはな、うん。ちゃんとゆっとかないと。修兵はない、うん。


『即答かよ!?』

『だってお前すぐ誰彼構わず惚れんだもん。俺女っタラシはパース』

『はぁ!? 俺だってお前みたいな破落戸女なんざ願い下げだな!』

『どぅあれが破落戸乳なし女だって!?』

『いや、そこまで言ってないから』

『だからオレの所に……』

『断固断る!』

『…………』

 


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