第2章 昔馴染
以前八番隊から一番隊に移動になる時に付いていくって言ってくれた奴は何人かいたんだ。でも流石に将来のある奴等をそんな場所に連れていくなんて出来なくて。
そりゃそうだろ、今回一番隊を復隊させるのだっていい顔はされなかったんだ。そんなとこ連れて来れるわけない。
「だから今は俺と、相棒である佰荒だけ。佰荒は斬魄刀だけどいい俺の相棒だぜ」
そう言ってカラカラとわらってやる。けれど何故か修兵は何やら考え込むように視線を落としてしまった。
「? 修兵?」
「あ、ああ悪ぃ。何だ?」
何だとは何だ。そりゃこっちの台詞だっつの。
「いや、らしくもなく真面目な顔してっからさ。どした?」
「らしくもなくってなぁどう言う意味だよ」
「まんまの意味だよ。いつものアホ面はどこ行ったのさ」
「アホ面~!?」
「山本隊……四席!」
「おっ?」
突然名前を呼ばれたかと思えばガッと襟元を掴まれ上へと引っ張られる。それに驚き瞬きをしながら手の主を見上げれば、米神に青筋を立てた朽木によく似た顔の切れ長な瞳と視線がまじわう。
「じ、仁之心……副隊長」
うげっ、なんでこいつがこんなとこにいんだよ!?
固まった俺の手に抱かれたお菓子の類類がバラバラと足下へと転げ落ちる。仁之心はそれを睨むように見下ろしながら、これは何だ、と問いかけてくる。