第2章 昔馴染
だけどそれは長くは続かなかった。
ある日、突然じいちゃんが言った。
"喜助をソウルソサエティから追放した"と。
兄だけじゃない、他にも副隊長や数名の隊員が反逆者として追放されたのだ。その中には俺の見知った者もいたし、友人もいたんだ。
何故、どうしてと問う俺にじっちゃんは何も言わなかった。何も教えてくれなかった。
烈っちゃんも京楽隊長もじっちゃんに口止めをされてるのか何も教えてくれやしない。
そんなの、突然反逆者として追放したとか言われたって納得出来るわけがないだろ?
だから俺は死神になった。兄と、そして友人に何があったか知るため。冤罪ならそれを晴らすため。
まずは兄が反逆した事で隊長と副隊長が不在となり休隊(事実上おとり潰し)となった旧一番隊の復隊をさせるのが最初の目的だった。それはもう叶えたからOK。
次は何故追放されたのか、それを知ること。
「お前も知ってるだろ? 兄貴がいなくなってから一番隊がなんて呼ばれてるか」
反逆者の養成所だの巣窟だのなんだの好き勝手に言いやがって。
「そんな所に配属されたがる奴なんていやしない。むしろ俺はそれでもいいと思ってる。バカにされるなんて馴れてる、蔑みなんて今さらさ。けど俺が隊長になったからにはそんなの二度と言わせやしない。兄貴は冤罪だったんだって証明させてやる。それに、不利な状況を打破する方がやりがいがあるってもんだろ?」