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レイジーシンドローム

第2章 季節の変わり目


暑い、暑い、体が暑い。
汗がじわじわと額を濡らす感覚がする。
おかしい。エアコンもっと仕事しろ。
遠くでエアコンの稼働している音が聞こえても、冷気はまるで感じられなかった。

「逃げないでくださいよー。」

暑いというのに、この男は。
どうしてこうも粘着質にべたべたと。

胸はこれから起こるだろう事への警鐘を鳴らす。
ただの遊びや、一時の浮気なら別によかった。
でも好きはダメだ。
本気と取り違えてする遊びは、ダメだ。
目が覚めた時、きっと愕然とするだろうから。
なのにこの男は、あたしを好きだと勘違いしてる。

あたしはあんたを汚したくない!

しかし香苗は啓太の抱擁から逃れる術も無い。
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