Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第7章 ☆うちのネコ《孤爪 研磨》
読み出して5分。もう暇なんですけど。
『研磨ー、終わったー?』
「あと3分の2くらい…あ、回復された」
いつまでやるのよおぉぉぉ…
仕方無くパラパラとページを捲る。ふと、目に留まったのは、爽やかな笑顔の青年が写るページ。"話題のセッター・及川徹!"だって。笑った顔がカッコいい。
『宮城県の青葉城西高校…ん?』
宮城、って言ったら音駒のライバル校があるとこだよね、どこだっけ。えっとトリノじゃなくてハトじゃなくて…
『ねー、宮城のトリノコウコウ、だっけ?』
「烏野でしょ」
『あ、カラスか…』
ちょっと違ったね。
その"及川徹"のいる青葉城西と、烏野はどっちが強いのかな。ついでに音駒も。そんなことを思いながら、文字を目で追う。
『えっと…へぇ、中学で賞を貰ったんだ。スゴいなぁ。しかもイケメンセッター、へぇ』
記事の最後には、インハイでの活躍に期待!とでかでかと書かれていた。研磨にも見てもらおうと、声を掛けた。
『ねー、研磨ぁ』
「んー…」
『研磨さーん?』
「うん」
『研磨くん、そろそろ寂しいかなぁ…』
「あと、ちょっとだけ…」
目線すらくれない研磨。
いくら幼馴染みだったとはいえ、彼女にここまで冷たくしなくても。ゲームゲームゲームで、ちっとも楽しくなんかない。
『研磨、もう…帰る』
「うん…バイバイ」
帰ろうとしても、引き留めてもくれない。そのことが、余計にツラい。
『研磨のバカ…っ!』
吐き捨てるように言って、バッグを手に持ち、部屋から飛び出した。
「まって…!」
パシッと、研磨に腕を掴まれた。