Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第5章 あい・らぶ・ゆー!《鎌先 靖志》
彼女の目をしっかりと見て、俺は話した。
「俺は、自分に自信がない。さっきみたいなのを見れば、お前にはもっと相応しいヤツがいるんじゃないかって思う」
『でも、それはっ』
「最後まで聞け。でも、やっぱり思うんだよ。お前の隣は、俺が良いって」
『か、まさきぃ…』
「わー、泣くな泣くな!」
またしても涙腺が弛んでいる彼女が泣かないように声を掛ける。こういう時、どうすんだ?笑わせれば良いのか!
「いないな~い…ばぁっ!」
『プッ、私一応高校生なんだけど?』
「あ、ですよね…」
それでも、彼女はクスリと笑みをこぼした。
―*―*―*―*―*―*―*―*―*―
迷惑をかけたので、部のやつらに報告しようと部室へ戻ることになった。その道中、海宙が唐突に言った。
『ありがと、鎌先』
「ん?」
『こんな私を、好きになってくれて』
「そりゃ、お互い様だろ?」
『お礼に、何か1コ言うこと聞いたげる』
願ってもない彼女の申し入れ。俺は迷わずこう言った。
「俺のこと、名前で呼んで?」
『っ///』
ぼんっ!と顔まで真っ赤になる彼女。こういうところは初(ウブ)なんだよなぁ。
『ハードル、高いなぁ…』
「ホラ、はーやーくー!」
催促すると、彼女は俺の目の前まで走って来た。それから裾を掴んで背伸びをし、俺の耳元で呟いた。
『I love you、靖志…///』
それは、勉強が得意な彼女の精いっぱいの愛の告白。バカなおれでも意味は分かった。
「クソ、かわいすぎだろっ!」
『ひゃ!』
ビックリする彼女を、両手で抱きしめる。もう2度と、離すもんか。
負けず嫌いな俺は、彼女の耳元でそっと言い返した。
「海宙 、あいらぶゆー!」
―――I love you
貴方を愛しています
END.