Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第5章 あい・らぶ・ゆー!《鎌先 靖志》
二口が握る6本のわり箸、1本ずつ掴んでせーので引く。ヤダよーヤダよー。
「王様だ~れだ!」
『いっえーい、私だ!』
ラッキー、マジラッキー。
当たったからには命令してあげましょう。何にしようかな、どうしようかな~。
『1番と5番抱き合え!』
「ゲッ…」
「………!」(ビクッ)
お、青根と二口か。乗り気じゃない青根に、二口が抱き付く。よし、撮ろう。
「だークソ。次だ次!」
自分が罰ゲームになったのが快くないのか、二口が次を急かす。そしてその悪運で見事王様を引き当てたのだった。
「よっし、4番1枚脱げー!」
「うわ、俺か…」
4番は茂庭。嫌々ながらも1枚脱ぐ…つっても、ワイシャツ着てるから、中のTシャツになっただけなんだよね。
それを見て二口が悔しがる。鎌先さんが脱いで欲しかったとかなんとか。
あれ、あんなにイヤがってたけどこのゲーム、やってみると案外楽しい。
「王様だ~れだ!」
「お、俺か」
引いたのはまた二口。こっちを見てニヤッと笑うと、命令を言った。
「3番が2番に壁ドーン!」
「俺が?」
『私、に?』
2番は私、3番は嬉しいことに鎌先だった。二口、それはナイスだ!
私が壁に寄り掛かると、近づいてくる鎌先が少し顔を赤くしていた。二口はスマホを構えている。
「い、いくぞ?」
『うん…///』
ドンッ、と両手を顔の横に突かれる。あと5㎝のところに鎌先の顔。その距離に顔にぶわっと熱が集まる。私、今真っ赤だ。
『も、良いよね…ん!?』
鎌先にそう言った瞬間、唇に温かいものが触れた。それが彼の唇だと気付くのに、そう時間は要らなかった。