Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第39章 ★Snow Magic 《大将 優》
【大将 side】
手近なホテルに駆け込んで、とりあえず昼まで泊まることにする。そのまま部屋に直行した。バタン、とドアが閉まると同時に、みそらを腕の中に閉じ込めた。
『スグくん…スグくんだよね』
「あぁ、俺だ」
『本物だよね、うそじゃない、よね…?』
「んなワケあってたまるか。みそら…」
それからどちらからともなく唇が重なる。さっきはまともに味わえなかったからな。そう思い、優しく重ねたみそらの唇は、蕩けるように甘かった。
『ん…っふ、…んっ……や、すぐ…く…』
「…声、出して…ん、いぃぜ…っ」
お互いの唇を貪るようにキスし、もつれるようにダブルベッドに倒れ込む。唇から一旦離れ、そのままきつく、きつく抱きしめる。もうどこにも、行かないように。
「ヤベー。ちょー幸せなんだけど…」
『スグくん…嬉しい。また、会えた…』
しばらくの抱擁。ちょっと苦しい、とみそらが呟いたので、力を緩めて隣に寝転がった。
「本当に会えると思わなくて。さっきさぁ、俺マジで泣きそうだったんだけど」
『私も。スグくんの声聞いたときに、これは夢なんだって、サンタさんがプレゼントしてくれた夢だって、思ったもの』
寝返りを打って、向き合う。ふにゃ、とはにかんで、みそらは俺に抱き付く。
『どうしよう、嬉しすぎていまなら死ねる』
「再会早々に死なれたら困るんだけど」
クスクスと笑い、それからキス。さっきよりも長くて深くて、気持ちイィキス。それは媚薬のように、とろりとろりと俺の心を溶かしていく。
唇を離すと、とろりとみそらの唇からどちらのか分からない唾液が溢れる。それを舌で掬い、それからみそらの髪を撫でた。栗色の猫っ毛は、あの頃からちっとも変わらない。
「あー、くっそ」
『スグくん………?』
「こんなこと言って、引かねぇ?」
『………逆に何言うつもりなの』
「……………シてぇ」
たっぷり5秒。その後に、みそらはぶわぁっと顔が赤くなった。