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Volleyball Boys 《ハイキュー!!》

第39章 ★Snow Magic 《大将 優》




【大将 side】


渋る俺を、ズルズルとサメ先輩と修都先輩が引きずり、パーティー会場に連行。事前に聞いていた通り、店の一角ではきゃいきゃいと合コンではしゃぐ声が聞こえた。

「あ、大将くんじゃん。サメってば、本当に連れてきたんだね~」

「ほとんど強制ですからね」

女バレのキャプテンに苦笑しつつ、ワインをあおった。酒は何でも飲む。この店はイロイロな酒があり、しかも美味しいと評判。

「サーメせーんぱーい!」

「お、優!ナンパ行くかー!?」

「行かないっすよ」

ナンパに行くことにノリノリのサメ先輩。俺は酒のおかわりいいですかって訊こうとしただけなんですけど。

「優のことだから、どーせあん中にも知り合いとかいるんだろー?」

「俺のことだからってなんすか!?」

修都先輩、何を言い出す。

「モテるヤロウは羨ましいぜ、このこの~」

「いった、やめてください、ちょっと!」

羨ましいを連呼しながら肘でど突いてくる修都先輩。マジで痛いです。酒出ます。

一頻り俺をイジり終わったのか、修都先輩は女バレをナンパに行った。この人達、ほんとにナンパ好きだな。軽っ。

そして何の気なしに合コンの方に視線を移す。そして、目を疑った。

「……………みそら……?」


そこにいるのは、みそらだった。


すっかり大人になって美人になっているからどこの誰かと思ったが。まさか、こんなに近くにいたなんて、夢にも思わなかった。

どこか退屈そうで、つまらなさそうにジョッキをあおるその姿は、俺にはなぜか艶っぽく見えた。表情をはっきりと読み取ることはできないが、楽しくないのは明白だった。

「なーに見とるん、優」

「拓真…いたよ」

「何が?」

「幼馴染み、いた。こんな近くに」

そう言うと、拓真は笑った。からっとした夏の空のように、屈託なく。

「ホラ、言うたやろ?会えるって」

「マジだったな、それ」

「行かんへの?」

そんなの、決まってるだろ。

5年越しなんだ。蛇の執念、ナメるなよ。

「サメ先輩、すんません、抜けます」

「お、いよいよナンパかー!?」

囃すように言うサメ先輩に、俺はどんな表情だったんだろう。1つだけ、確かなことは、

「ずっと、会いたかった人なんです」

ひどく、泣きそうだったことだ。


   
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