Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第28章 放課後でぇと《木葉 秋紀》
話した結果、俺がチョコバナナの方、海宙はベリーの方を食べることになった。
『いっただっきまーす!』
はむっとクレープにかぶり付く海宙。モグモグと口を動かしてからんんーっ!と言った。
『おいひいぃぃぃい!』
「そんなにかよ」
苦笑いしながら、チョコバナナにかぶり付く。柔らかくて温かい生地に、ほろ苦いチョコとバナナが良く合っている。それに生クリームとカスタードクリームがまた良い。
「あ、旨いわ」
『でしょ、美味しいでしょ!?』
「うん、旨い」
思っていたより美味しく、パクパクと口が進む。そんな俺を海宙がじぃっと見詰めてくる。クレープ寄越せってことか。
「交換するか?」
『うん!』
「おし。じゃあ口開けて?」
『うん!……ん?』
「口、開けろって。ホラ、あーん…」
『あ、あーん…///』
恥ずかしいのか、控えめに口を開く海宙。クレープを口に突っ込むと、海宙がモグモグ。それからぱぁっと目を輝かせた。
『おいひぃ!』
「俺もそっち食いたい」
『秋紀も、あーん』
「あー…」
差し出されたクレープをがぶっと食べる。すると海宙から抗議の声が上がった。
『あー!秋紀の一口おっきい!』
「はいはい、もう一口やるって」
そう言うと海宙は満面の笑みでチョコバナナをぱくり。あ、おい、お前だってけっこう食ってんじゃねーかよ。そうこうしているうちに、あっという間に完食。
時間も夕飯時に近くなったので、そろそろ帰るか、と家に向かうことに。
『美味しかったねー』
「また今度食う?」
『うん!今度はキャラメルにしよっと』
「決めんのが早ぇ(笑)」
くくっと笑うと、海宙が俺を見上げる。その目線は、俺のちょうど口らへん。
「どした?」
『ちょっと、動かないでね…』
そう言うと海宙は俺の制服の裾を掴み、背伸びをする。え、ちょい、待て待て待て待て、これってキス?
戸惑っている間にどんどん海宙の顔が近くなる。咄嗟にぎゅっと目を瞑ると、唇の端を何かが掠めた。