Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第28章 放課後でぇと《木葉 秋紀》
宣言通り、俺は2回目のチャレンジで見事モーグリをゲットした。受け取り口から白いモコモコを取り、海宙に投げて渡す。わたわたしながら海宙はモーグリをキャッチし、頬擦りした。
『気持ちぃ…モコモコ!』
「マジでふわふわだ」
海宙の抱っこするモーグリを撫でると、布の感触が気持ち良く、クセになりそうだった。
『秋紀っ』
「ん?」
『ありがと!』
にぱっと太陽みたいに笑う海宙。モーグリの上にあった手を海宙の頭に移し、わしわしと撫でる。
『わっわっ、秋紀ちょお!』
「ははっ、で次は?何する?」
『得意なんだね、ユーフォーキャッチャー』
「おう。まだ欲しいのあるか?」
『んー、じゃああれ!』
笑顔を浮かべて海宙の指差す先には、モーグリと同じくらいのサイズのチョコボがあった。
「おい、今度はチョコボかよ」
『良いでしょ、FF好きなんだもん…///』
拗ねたように口を尖らせる海宙。そういえば、普段ゲームをしない海宙の唯一好きなゲームはFFだった。
そして、もう一度くしゃりと頭を撫でてから、今度はチョコボを取りに向かった。
手こずったものの、400円でチョコボゲット。600円でデカいの2匹取れたらそこそこ良い成績だろう。
『ありがとう秋紀!』
「おう。な、次リズムゲームやんね?」
『良いね!私太鼓がいい!』
「マイバチは?」
『今手元に無いじゃん(笑)』
ケタケタ笑いながら、店先の太鼓の前に移動。曲を選ぶドン!と太鼓のキャラクターが言い、選曲画面になった。
「何やんの?」
『あれがいい、千本桜!』
海宙の選んだのは、数年前に大ヒットしたボカロ曲。軽快なイントロと同時に太鼓を叩く。2人でメロディーを歌っているうちに、いつの間にか曲は終わっていた。
結果が出ると、なんと海宙の方が俺より少し点が高かった。
『やったー、秋紀に勝ったー!』
「くっそ、次だ、次!」
次に俺が選曲したのは定番の夏祭り。かなり上手くできたのに、やっぱり海宙の方が得点が高かった。
『ふっふん、私の勝ちだね!』
「なら次はカーレースだ!」
『臨むところよ!』
そうして俺と海宙は先を競うようにしてカーレースゲームへと走った。