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Volleyball Boys 《ハイキュー!!》

第28章  放課後でぇと《木葉 秋紀》



お店を出てカサリと袋を開くと、シュシュの他にもう1つ入っていた。それはさっき見ていた黒猫のピアスの隣にあった三日月のイヤリング。

『あれ、これって…』

「あぁ、似合うかと思って。どうせだからそのシュシュと一緒に使えよな」

『…良いの?』

「おう。本当は誕生日とかにもっとちゃんとしたのやりてーけどな。付けてる海宙想像したらかわいいだろうな、って…」

照れたように頬を掻く秋紀。思いがけないプレゼントに、心がきゅうんとなった。

なんてことない、放課後デート。

なんてことない、プレゼント。

それだけで、こんなにも嬉しいなんて。

『秋紀…ありがとっ!』

「うおっ、バカ。急に抱き付くなっつの」

口は乱暴に聞こえるけど、くしゃりと頭を撫でてくれるその手は、おっきくて、温かくてそれで、とても優しかった。



秋紀がお腹空いたと言うので、近くの大型ショッピングモールのフードコートに向かった。ミスドやらうどんやら、美味しくて学生のおサイフにも優しいお店がたくさん。

私はミスドのドーナツ2個とカフェオレ。秋紀は、腹へったー♪と意気揚々とうどんを買いに行った。トレーを持って席に座り、いただきます。ここまでは良い、良いんだよ。

『…で、秋紀はおやつにそれを?』

「ひははへーらろ、はらへっはひ」

直訳すると、仕方ねーだろ、腹へったし。いやまぁね、今日は朝練だったし、お昼は購買のパンだけだからお腹空くっていうのは当たり前だしそうなんだろうけど…

『でもっ、普通は大盛りのうどんにセットで竜田揚げを付けないでしょっ!?』

「いいだろ、あそこの竜田うめーもん」

そう、秋紀はうどんを食べている。明らかに2人前はあるそれに、竜田揚げも追加で。秋紀はがぶりと竜田揚げにかぶり付く。旨い旨いと言いながらモグモグと口を動かす秋紀は、子供みたいでなんかかわいい。

『ほんと、男子ってよく食べるね』

「まぁな。でも俺はまだ少ない方だぜ?」

『確かに、木兎なら軽く3杯はいくね』

と、我らがヘイヘイキャプテンを思い出し、プッとほぼ同時に吹き出した。

「やべー、あり得そうでウケる(笑)」

『ふふっ、お腹痛い…あはははっ、ふふ』

「お前今日笑いすぎだって」

『誰のせいなのさっ、くふふ…』

どうやら、秋紀といると私の笑いのツボが浅くなっちゃうみたいです。


 
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