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Volleyball Boys 《ハイキュー!!》

第26章 ★"ツン"と"デレ"《木兎 光太郎》



チュンチュンと、すずめの鳴く声がする。枕元の目覚まし時計は朝8時。カーテンの隙間からは朝の光がきらきらと射し込んでいて。

「ねむてぇ…」

寝返りしようして、何かに当たって阻止された。

真っ黒い髪、白い素肌。あ、海宙か。

海宙…



………えっ…海宙っ!?

「のわっ!?」

ガバッと跳ね起きる。すると、すぅすぅと気持ち良さそうに寝ている海宙が顔をしかめてモゾモゾと動いた。

『…んぅ……ぼくと、うっさい…』

あ、朝は"ツン"だ。じゃなくて!

「なんでいんの!?」

『…はぁ?木兎サン、まさか覚えてないとか言わないでくれますよね…?』

「そっ、そんな目で見んな!」

じとぉっとした、あかーしみたいな!

『はぁ…とりあえず起きよ…ふわぁあ~』

むくりと起きる海宙、う~んと伸びをしながらあくび。掛かっていた布団がぱさりと落ちて、肌が露になる。

「え………あぁっ!?」

その瞬間、昨夜のできごとがフラッシュバックする。そうだ、思い出した。猫耳+彼シャツという魔のコンビに襲われて、俺は海宙とイチャコラしたんだ!

『思い出した?』

散乱する下着を拾い、それを身に着けながら海宙は俺に問う。

「あのぉ、その…さーせんっした!」

とりあえず、ベッドの上で土下座。ヤバい、いきなり襲った俺が100%悪い。イコールそれは、海宙が激オコ…

『歯ぁ食い縛んなさいっ!』

「ひーっ!」

ゲンコツを覚悟した俺の頭には、拳。ではなく、優しい感触が降ってきた。

…おろ?俺、ナデナデされてる?

そろそろと体を起こすと、ブラとパンツ姿の海宙が立っていた。

「怒って、ねーの?」

『いや、怒ってないって言ったら嘘になるんだけどね。でもその、木兎が好きって言ってくれたから、イーブンかな、って』

思わなくも、ないような…語尾にいくにつれて赤くなってごにょごにょと言う海宙。あまりにカワイくって抱きしめる。

『ひゃっ、木兎!?』

「やっぱ俺、海宙のことすげー好き」

『…私も、好き』

あ、デレた。そう呟くと、こつんと頭を小突かれる。責任、とってよね。そう言う海宙に、俺は満面の笑みで頷いた。




                  END.
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