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Volleyball Boys 《ハイキュー!!》

第26章 ★"ツン"と"デレ"《木兎 光太郎》



数学のテスト範囲を終える頃には、俺はすっかり疲れ果てていました。まぁ海宙に頼んだ時点でこうなることは予測できた。

だがしかぁし、俺にはどうしても合宿に行かなければならないという、使命があるのだ!

『はい、5分休んだら次は英語ね』

「え~、つ~か~れ~た~!」

ぐたりと机につっぷすると、ツンツンのミミズクヘッドを撫でる気配。海宙はナデナデしながら俺に言った。

『木兎、今頑張ったら合宿楽しめるよ?』

「でも、疲れた…」

『みんな木兎がいないと負けちゃうから。やっぱりエースがいないと、ね?』

「うぅ…」

合宿楽しい、俺がいないと、という海宙の言葉に、むくむくとヤル気が起こる。俺って単純だなと思いつつも、体を起こすと、にこりと微笑む海宙がいた。

『さ、英語やろうか』

「ちょーっと待った!」

両手を前に突き出して止める。怪訝そうな顔をして海宙が首を傾げた。さらりと黒髪が舞う。ナルホド、美人だ!

『どしたの?』

「海宙びじ…じゃなくて。ご褒美くれたら俺頑張れるなーって!」

海宙は目をぱちくりさせ、それから少し考えた後にこう言った。

俺が赤点回避したら俺の言うことを聞く。もし、万が一にも、数学か英語で赤点だったら俺が海宙の言うことを聞く。

「本当だな、ガチだな、マジだな!?」

『本当です、ガチです、マジです!』

「よっしゃー!」

『分かったらとっととやんなさいっ!』

「あだっ」

ドスッと脇腹を殴られる。海宙、容赦ねぇなぁ…俺エースなのに!と言ったら、こんなことでケガするならエースじゃない、と返されるのが分かっているから閉口する。

だが、今の俺にはそれに耐えるだけの理由があるのだ。海宙にやってほしいことならいくつかある。

内心でむふふと笑いながら、海宙の厳しい監督の元、今は黙々と英語のワークをこなすのだった。


   
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