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Volleyball Boys 《ハイキュー!!》

第25章  三角幼馴染み《及川 徹&岩泉 一》



そしてお祝いパーティーの日。海宙はというと、たくさんお菓子を作ってくれた。それはもう、たくさん。

『大変だったんだからね。クッキーにパウンドケーキに蒸しパンに…』

「「うぉーっ!!」」

『えぇい、群れるな!デカいしアツいしアンタらの存在がじゃまくさいのよ!』

海宙が鬼のように怒っても気にしない。なぜなら、"女子の作ったお菓子"が存在するから。

女子が貴重な男子部において、差し入れで叫ぶのはお決まりだ。部室に置いたテーブルの上には、ジュースやお菓子、それと海宙の作ってきたケーキも載ってる。

紙コップにジュースを注いで、それぞれが持つ。合図をとるのは、もちろん俺でs…

「じゃあ、乾杯は岩泉さんおなしゃす!」

「金田一!そこはキャプテンでしょ!」

「スンマセンッ!」

まったくもう、失礼しちゃうなぁ。気を取り直してもう一度。

「じゃあみんな、コップ持ってるー?ではでは、俺たち3年の卒業と新しいチームに…」

「「『かんぱーい!!!』」」

こつん、と軽い音をたてて、次々にコップがぶつかる。それからは、やんややんやの大騒ぎだった。

国見ちゃんはキャラメルポップコーンの袋を独り占めしちゃうし、マッキーとまっつんはメントスコーラ(コーラにメントス入れてブシャーッて噴水するやつ)をやろうとするし、京谷と矢巾は案の定ケンカするし。

「ねぇ、少しは先輩を祝ってよ!?」

「…の前に、受験頑張った俺を労え」

「岩ちゃんー!おんなじ大学行けるんだもんね、良かったー!またバレーやろうね!?」

「へーへー。分かりやしたよ」

「ヒッドーイ。及川サンとバレーがしたくて同じ大学に進学しt…あべしっ!?」

「うるせ///」

ごつんッ、と頭に鈍い衝撃。見れば、少し赤い顔をした岩ちゃんが殴ったらしい。

「もう、岩ちゃんたら」

「…ちょ、ガチで後悔しそうだわ」

「え!?」

「じょーだん。次こそウシワカぶっ倒すぞ」

ニヤり。不敵に笑う岩ちゃんに、俺は拳を見せる。こつん、と拳を重ねる岩ちゃん。

「上等。やってやらぁ」

「さっすが、岩ちゃんだね!」

それから顔を見合わせて、にかりと笑った。何イチャついてんだよ、とマッキーに言われて、岩ちゃんの蹴りが飛ぶ。でも、痛くも痒くもなかった。むしろ、いつもと同じで、嬉しいくらいだよ?


 
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