Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第25章 三角幼馴染み《及川 徹&岩泉 一》
それこそ子供の頃から兄弟のように育ったわけで。最初は仲の良い友だちで。それが何時しか恋心に変わってて。
中3の夏、思いきってトオルに訊いてみたら、
「そんなの、海宙の勘違いだよ。だからホラ、俺たちずっと、友だちでいよう?高校入っても、バレー続けよう?」
そう言われたら、頷くしかなくって。だって、トオルは何だか泣きそうに見えたから。
卒業式、みんなでお祝いパーティーをした。トオルの家で、3人で集まって、トオルママの用意したご馳走とか持ち寄ったお菓子とかテーブルに並べて。
また高校でバレーやろうね?と言うトオルにわたしとハジメはニカッと笑い合って。
それで、カンパイと共に、約束をした。
"ずっと3人、一緒にバレーしていよう。"
"ずっと3人、友だちでいよう。"
カンパーイ!と合わせたグラスは、サイダーの泡がしゅわしゅわしていた。カラン、と涼しげに氷が鳴って、飲み干すと、喉がピリピリした。けほっとむせると、トオルとハジメに笑われた。
『もぉ、トオルのバカ、笑わないでよ!』
「ちょっとなんで俺だけ!?」
「日頃の行いじゃね?」
「岩ちゃんッ!?」
ハジメを揺さぶるトオルが面白くて。大口開けて笑ってるハジメが楽しそうで。
だからわたしは分からなかった。
微塵も予想なんてしてなかった。
あの約束が、
わたしのココロを縛ることになるなんて。