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Volleyball Boys 《ハイキュー!!》

第23章 ★"10年"と彼女《花巻 貴大》



海宙は2度寝を30分した後、むくりと起き上がった。俺はその時には着替え、ソファに座り部屋のテレビを観ていた。

ちょうど今日の占いをやっている。あ、水瓶座1位だ。ナニナニ"気になるあの子と急接近!?どんどんアピールしましょう"、か。

気になるあのこ、ねぇ…

そう思いながらベッドに視線を移すと、うにゃあ~と言いながら海宙はうつ伏せになって伸びをした。それからぽつりと"二日酔いだぁ、頭があぁぁぁ…"と唸る。

「ちょいとお嬢さん」

ちょいちょいと手招きをすると、海宙は床に散らばる下着を身に着け、それから俺の前に立った。

『なぁに、貴大さ…っつぅ、腰が…』

「ギックリ腰ですか(笑)」

『違いますぅ、シすぎたんですぅ』

言い方がかわいくて、俺はぶはっと吹き出した。それからその細い腰を抱き寄せて、隣に座らせる。つぶらなチョコ色の瞳が2つ、じいっと俺を見詰めている。

「あのさ、今更だけど、俺やっぱs…」

『待って!』

「んぐ!?」

す、と言い掛けて口を塞がれた。あまりに突然で目をぱちくりさせると、海宙は頬を赤らめて言った。

『あのね。あたしたち、思ってることは一緒だと思うのね。で、初めての告白は貴大さんだったから。2回目はあたしから言いたい』

「お、おう」

真剣で真っ直ぐな言葉に、あぁこいつらしいなと思った。付き合ってた時もそうだった。海宙はちゃんと向き合っててくれたのに、距離があるからと理屈をこね、俺はまともに話してなかった。

だからそんな海宙を素直にスゴいと思うことも、度々で。10年経っても変わらないその姿に、柄にも無く胸が高鳴った。

『ふぅ…よし、言うね。貴大さん、』

「お、おう…?」

『あたし、やっぱり貴大さんのこと好き』


   
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