Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第23章 ★"10年"と彼女《花巻 貴大》
備え付きの歯ブラシをお借りする。さすがにお酒臭いのはイヤだ。欲を言えばシャワーも。でも貴大さんが待ってるから。
歯磨きとか、シャワーとか。男子はそういうの気にしないもんなぁ。そう思いながら、ペッと口中のものを吐き出し、部屋に戻る。
『お待たせし…っわぁ!?』
「くくっ、びっくりしてるし」
『だ、だって…///』
手で顔を覆う…目の部分だけ開いてるけど。そこにいたのはベッドに腰掛けた半裸の貴大さん。半裸っていうか、パンツしかはいてないけど。
「ほい、早く来ーいよ」
『……う、ん…///』
もじもじしながら隣に座る。貴大さんはシュルリと髪を掬い、くんくんと匂いを嗅いだ。
『あの、臭くない…?』
「いや?シャンプーかな、の匂いする」
『そっ、か…』
すんすんと彼の鼻息を聞きながら、ふと、昔のことを思い出した。
付き合っていた頃、初めて貴大さんの家に遊びに行った時。貴大さんはあたしを胡座をかいたその上に乗せて、やっぱり髪をすんすんと嗅いでいた。
あのくすぐったさも甦るようで、クスリと笑みを溢す。すると、不服そうな低い声が耳に直接響いてきた。
「ナニ、海宙チャンは余裕デスカ?」
『んーん。あのね、昔のこと思い出してて』
「昔って、どんくらい?」
『青春を謳歌していた時期』
「んだそりゃ」
『分かってよぉ。付き合ってた頃!貴大さんは髪の匂い好きだったなぁって。くんくんするそのクセ、今も変わってないんだね』
そう言って笑うと、しばらく考えた後、あたしのおっぱいをブラウスの上からむにむに揉みながら言った。
『ひゃ、ちょ、っと…///』
「お前のおっぱいも変わってない…いや、ちょっとボリューム増えたし弾力が…」
『れっ冷静に分析しないでよぉっ!』
剥き出しの胸板をぽかぽか叩く。よっぽど面白かったのか、彼はけらけら笑った。それからヘックシ、とくしゃみを1つ。
「俺だけさみィんだけど?」
『ん。じゃ、あっためたげるよ?』
「んだそれ、カワイイなコラ」
『なんで半ギレなのぉ!?』
クスクスと笑い合いながら、貴大さんはあたしの服を脱がせた。ブラウス、キャミ、ブラ、スカート、ストッキング、パンティも。
全て脱がすと、彼は再度あたしを押し倒した。
「さぁてと、じゃあ…」
―――ヤりますか。