Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第21章 誕生日と彼女《金田一 勇太郎》
「国見ちゃんのバカ!」
「なんなんですか…」
「バカって言ったらバカなの!」
「どんな理屈…」
そんなやり取りを繰り広げる2人。ジャマしまーす、どーもー、等と言いながら、先輩とおぼしき方々(及川さんも含む)は、1年6組の教室内に入り、英の周りに陣取る。
どうやら部活の連絡のようで、及川さんを殴った人を中心に、話が進んでいるよう。
「…でだ。明日の部活、コーチと監督は用事があって来れないそうだ。だから、及川と俺を中心に進めとけって話だ」
「あ、分かりました。金田一には…?」
「いや、まだ言ってねえな」
「なら適任がいます。な?」
『へ、わたし?なんでぇ?』
ポン、とわたしの肩を叩く英。ワケが分からず、キョトンとすると、英は勿体ぶったように話し始めた。
「あー、皆さんもご存知の金田一。あいつには中学からの彼女がいます」
えぇっ!?とどよめく4人の男子(たぶん先輩)。あれ、雲行きが怪しくなってきた…
「それが彼女、俺のいとこでもある蒼井海宙なのです…っ!」
『ぎゃー、英それ言わないでよっ!』
狙ってたのに!(←うそでしょ!?)や、マジかよ!等と口々に漏らす4人男子(何度も言うけどたぶんきっと先輩)。
「海宙、バレー部の先輩。こっちから及川さん、岩泉さん、花巻さんと松川さん」
『は、初めまして…』
「ども。うるさくて悪いな」
『いいえ、岩泉さんも大変そうで…』
「く~、金田一か!」
「こんなカワイイ子彼女とか、あいつも意外とモテるな、つーかやるな」
及川さんと花巻さんがそんなことを言う。クラスの友達にも言ってないからからかわれなれなくて、ちょっと照れる。
「でもこいつ、カワイイのは顔だけですよ」
『ふっざけんな!』
ゴスッと英の頭にチョップをかます。頭にわたしの手を載せたまま、英が言った。
「ホラ、暴力女でしょ?」
『自業自得でしょっ!』
ゴスッ、もう一撃。
「金田一も大変なんだろうな…」
『花巻さん?ちょっと聞き捨てなりません』
わたしの地獄耳をなめないでください。